インドネシア
ベラウ鉱区、タングーLNGプロジェクト
日石ベラウ石油開発を設立し、他の多くのパートナーに先駆けて探鉱段階から本プロジェクトに参画し、2009年6月にLNGの生産を開始しました。マレーシアLNGティガプロジェクトに次ぐ第2のLNGプロジェクトとして、当社の長期安定的な収益・生産量の確保に貢献しています。また、当社は、2007年10月からKGベラウ社の14.2%の株主となっています。
世界有数のLNG輸出国インドネシアが威信を懸けたプロジェクト
本プロジェクトの名前であるタングーは、現地語で「強い、強靭な」という意味を持っています。インドネシアにおいて既存の大型LNGプロジェクトの生産減退が伝えられている中、本プロジェクトは同国の経済発展に寄与するものとして、国民・政府の大きな期待の下、LNGの生産を開始しました。
アジアを中心とした幅広い地域へのLNG販売
タングーLNGは、米国センプラ社のメキシコ・バハ・カリフォルニアのLNG基地、中国福建省のLNG基地、およびPOSCO、SK E&S向けとして韓国のGwangyang基地に受け入れられています。そのほかにも、東アジア、東南アジアを中心に幅広く販売されています。なお、センプラ社への販売は、アジア地域で生産したLNGが、長期契約に基づいて北米西海岸における中継地点に供給される世界初の事例となります。
拡張プロジェクトからのLNG出荷開始
当社は、2016年7月、年間760万トンの生産能力を有する稼働中の2系列の液化設備に、年間380万トンの生産能力を有する第3系列液化設備を増設する拡張プロジェクトに関する最終投資決定を行いました。2023年9月には増設した第3系列液化設備からのLNG生産を開始、同年10月に最初のLNGカーゴを出荷しました。今後、本拡張プロジェクトではCCUSを含む追加開発も検討しています。
本拡張プロジェクトにより増産されるLNGは、その75%相当分がインドネシア国営電力会社PT. PLNに供給され、今後も増加が予想される同国のエネルギー需要を支えることとなります。また、増産されるLNGの25%相当分は関西電力に供給され、日本へのエネルギー安定供給にも貢献します。
プロジェクト概要
ベラウ鉱区
プロジェクト会社 | 日石ベラウ石油開発 |
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株主構成(出資比率) | JX石油開発(51.0%) JOGMEC(49.0%) |
保有権益比率 | 17.1% |
パートナー(権益比率) | BP※1(48.0%) MIベラウ(22.9%) KGベラウ※2(12.0%) |
- ※1オペレーター
- ※2KGベラウの出資比率:JOGMEC(49.2%)、JX石油開発(14.2%)ほか
タングーLNGプロジェクト(ベラウ鉱区、ウィリアガール鉱区、ムツリ鉱区の統合エリア)探鉱開発生産
保有権益比率 | 12.2%(日石ベラウ分)、1.2%(ケージーベラウ分) |
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パートナー(権益比率) | BP※1(40.2%) MIベラウ(16.3%) CNOOC(13.9%) KGベラウ※2/ケージーウィリアガール(10.0%) LNGジャパン(7.3%) |
- ※1オペレーター
- ※2KGベラウの出資比率:JOGMEC(49.2%)、JX石油開発(14.2%)ほか
日石ベラウ ベラウ鉱区、ウィリアガール鉱区、ムツリ鉱区の統合エリアのプロジェクト経緯
2023年9月 | 第3系列液化設備からのLNG生産を開始 |
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2016年7月 | タングーLNG拡張プロジェクトの最終投資を決定 |
2009年6月 | タングーLNGプロジェクトにおいて、生産を開始 |
2002年12月 | ベラウ、ウィリアガール、ムツリの3鉱区のパートナー間で、タングー・ジョイント・ベンチャー・アグリーメントを締結 |
1997年2月 | ベラウ鉱区において、フォルワタ・ガス田を発見 |
1995年12月 | ウィリアガール・ディープ2号井を掘削 (ウィリアガール・ディープ・ガス田がベラウ鉱区まで延びていることを確認) |
1994年8月 | ベラウ鉱区に隣接するウィリアガール鉱区において、ウィリアガール・ディープ・ガス田を発見 |
1989年12月 | オキシデンタル社保有のベラウ鉱区において、権益の一部を取得 |