HSE(衛生・安全・環境)

HSEマネジメントシステム

HSEマネジメントシステムとは、会社の最高責任者が定めるHSE方針に基づき、事業活動における労働衛生・安全・環境に係る事故などの発生リスクを適切に管理するために、組織や役割・責務、活動計画、管理手順などを定め、継続的に実行・改善するための仕組みを体系化したものです。本システムを効果的に運用することで、事故やトラブルの発生リスクを低減することが可能となります。

  • Health(健康)・Safety(安全)・Environment(環境)の頭文字からなる略称で、当社では、衛生・労働安全・環境を指します。

当社のHSEマネジメントシステム運用体制

石油・天然ガス開発事業は、探鉱・開発・生産および廃鉱の各段階において、健康被害や事故の発生、地球環境に影響を及ぼすなどのリスクをはらんでいます。当社は、それらの衛生・労働安全・環境に関わるリスク管理を事業遂行上の最優先事項と位置付け、国際規格ISO14001※1およびISO45001※2に則ったHSEマネジメントシステムを構築しています。これに基づき、東京本社では社長を委員長、経営層を委員とするHSE委員会を、また、各現業所では現業所長を委員長、各部門の管理者を委員とするHSE委員会をそれぞれ設置して、組織全体にわたって本システムを運用し、労働災害防止と環境負荷低減に向けた改善活動を継続しています。なお、本社が主体となって実施している主な活動は、以下のとおりです。

  • 組織全体にわたる年間HSE目標の設定、達成状況の管理
  • 東京本社と各現業所が合同でHSE緊急事態対応訓練を実施し、必要な改善点を協議
  • HSE統計データおよび事故報告を全現業所間で共有し、事故原因を把握した上で必要な改善点を協議
  • 各現業所に対するHSE監査を実施し、必要な改善点を協議
  • 東京本社および各現業所のHSE管理者または操業管理者による年度HSE現業所会議を開催し、HSE目標および実績を確認して必要な改善点を協議
  • 東京本社社員に対するHSE教育およびHSE文化の醸成
  • 優秀なHSE成績を収めた現業所へのHSE表彰
  1. ※1環境マネジメントシステム
  2. ※2労働安全衛生マネジメントシステム

HSEマネジメントシステムのPDCAサイクル

HSEマネジメントシステムのPDCAサイクル

当社では、HSEパフォーマンスを向上させるために、国際規格における要求事項に従って、HSEマネジメントシステムを構築し、その実施・維持ならびに継続的改善に取り組むよう定めています。

【PDCAサイクルによる運用】
HSEマネジメントシステムは、Plan(計画)– Do(実行 = 実施および運用)– Check(評価 = 確認および是正措置)- Act(改善 = マネジメントレビュー)のサイクルによって構築・運用されています。
「HSE方針・目標・マネジメントプロセスの策定」「当該プロセスの実施」「方針・目標および順守義務への適合性のレビュー・評価」「継続的な改善」のサイクルを回すことにより、HSEパフォーマンスの継続的改善に取り組んでいます。

HSEマネジメントシステムの組織構造

HSEマネジメントシステムの組織構造

当社では、HSEマネジメントシステムを効果的かつ効率的に運用するために、社長を委員長、管掌役員を管理責任者、各部長をメンバーとするHSE委員会を設置しています。この組織構造は、本システムの実施についての役割と責任を明確にすることを目的に構築しています。

HSEマネジメントシステムの文書構造

HSEマネジメントシステムの文書構造

HSEマネジメントシステムに基づく活動例

HSE委員会/HSE現業所会議の開催

当社では、HSEマネジメントシステムの有効性評価ならびにHSEパフォーマンスの向上を目的として、中期環境経営計画(3年ごと)、およびHSE目標・行動計画(年度ごと)を策定しています。HSE委員会事務局は、HSE目標・行動計画に対するパフォーマンスをモニタリングし、達成状況をHSE委員会(2回/年)に報告しています。また、同委員会の承認を受けた各現業所のHSE目標は、本社と現業所によるHSE現業所会議(年1回)において、その達成状況が報告されています。このような仕組みを通じた円滑な社内コミュニケーションにより、HSE活動の継続的改善に取り組んでいます。

本社で開催されたHSE現業所会議
本社で開催されたHSE委員会

緊急事態対応訓練および油濁対応訓練の実施

当社は、HSEマネジメントシステムの一環として全社的なHSE緊急事態対応要領を策定し、さらに、各現業所に即した緊急事態・油濁対応計画に基づく体制を構築しています。当該計画では、緊急事態の重大性に基づき、事故発生現場、現業所、本社と階層的な対応に必要な組織および機材などを動員し、人および環境への影響を最小限にとどめることとしています。また、その実効性について、本社と現業所が定期的に合同で実施するHSE緊急事態対応訓練を通して確認し、必要な改善を行っています。
大規模油濁対策については、マレーシアでは石油業界の相互援助組織に加盟し、その他の国においては石油業界で評価を得ている油濁対応サービス会社と契約を締結するなど、緊急時の対応に必要な人員および資機材を迅速に動員できる体制を整えています。さらに、メキシコ湾のマコンド事故に教訓を得て、暴噴対応サービスおよび海底暴噴防止装置供給会社と契約を結び、大規模な油の流出を防ぐための対応を図っています。

HSE緊急事態対応訓練
ベトナムでの油濁対応訓練

HSE内部監査の定期実施

当社では、現業所のHSE活動が現業所のHSEマネジメントシステムに準じて実行されているか、またHSE活動を活性化したりHSE目標を達成したりする上で支障や改善の余地がないかを検証し、必要に応じて助言やガイダンスを与えるため、各現業所に対するHSE内部監査をHSE実績に応じて、1年もしくは2年に一度実施しています。監査の結果、改善が必要な事項があれば、改善策について協議するとともに、改善計画を立案し、計画を着実に遂行しています。

国際認証の取得

当社のべトナム事務所では、2007年にISO14001認証を取得して以来、現在に至るまで認証の更新を行っています。