未来への取り組み1
New business development 1
新規事業の開拓で切り拓く
JX石油開発の新たな未来
世界の人口増加に比例して、石油・天然ガスの需要も増え続けると考えられている。引き続き、石油や天然ガスは社会の糧として、世界中で活用されていくだろう。しかしながら、JX石油開発は、危機感を持っている。省エネルギーや環境問題に対する関心の高まりや、新たな代替エネルギー誕生の可能性といった動向にも冷静に目を光らせている。そして、組織が永続的に維持・発展を続けていくためには、変化や新たな挑戦が不可欠であるということも、知っている。
JX石油開発は、2018年夏に新規ビジネスのアイデアを社内から広く募集する告知を行った。そこには、ボトムアップだからこそ生まれる斬新な発想への期待や、専門性の高いさまざまな職種が混在するからこそ、良質な事業アイデアが募れるという確信があった。そして、2018年の12月、数十通にのぼる応募の中から、審査を通過した8つのアイデアが、最終選考の時を待っていた。優勝したチームには、会社からのプロジェクトのバックアップが約束されていた。
こうした、既存の概念にとらわれない新たなビジネスにチャレンジする動きが今、JX石油開発の中で加速している。
本コンテンツでは、最終的にコンペティションで優勝し、現在その事業計画を現実のものにすべくタスクフォースに臨む、チームリーダー・大川直樹へのインタビューを通じて、新しい取り組みの意義と展望について紹介する。
そう遠くない未来にJX石油開発の新たな可能性の種がさまざまな形で芽吹いていくだろう。
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Q.1
新規案件公募に取り組むきっかけを教えてください
新規案件公募の募集がはじまった2018年の夏、たまたま目にした記事の中で、イーロン・マスク氏がEVの将来性に言及していました。そこから興味をもったEVの素材について調べてみると、地下水を利用した資源開発がビジネスに繋がる可能性があり、私たちの油・ガス田開発ビジネスとの親和性が感じられました。それがきっかけです。
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Q.2
どのように企画を練り上げていったのですか?
原案を提出した段階で、会社からチームメイトとなる社員を紹介してもらいました。そこにアイデアの相談をしていた社員も合流し、結果として職種がバラバラのメンバー8名が集い、議論を交わし、力を合わせながら準備を進めていきました。通常業務と並行しての作業だったため、皆、時間の捻出に苦労しましたが、最終的に「地層水を利用した有価金属資源開発」という企画として形にすることができました。
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Q.3
ちなみに社内コンペで優勝したときはいかがでしたか
他のチームアイデアや提案内容がすばらしかったので、自分達の企画が最も評価されたことは自信につながりましたし、達成感もありました。メンバーとの祝勝会は、大いに盛り上がりました。優勝特典で、アメリカのヒューストンで開催されたカンファレンスに参加できたのも嬉しかったですね。
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Q.4
具体的にどのようにプロジェクトを進めているのですか
原案の発案者ということで、チームのリーダーを務めていますが、基本的な組織形態はタスクフォース。定期的に会合を設けていますが、活動については文字通り“手探り”です。会社には、2年で展望とベクトル示す必要があるので、とにかくつながりの輪を広げ、その時点でのつながりで何ができるか?を繰り返し検討しています。
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Q.5
取り組みのどのようなところに醍醐味を感じますか?
未開発の新たな領域への挑戦は、自社内だけでは実現できないでしょう。国内外の研究機関との産学連携や、専門的な知識・技術を有する企業との協力関係構築、ENEOSグループの巨大ネットワークとリソースの有効活用が不可欠です。実際に大学教授などの有識者との打合せを行う中で感じるのは、新たな“つながり”がもたらしてくれる期待感と、プロジェクトが前進しているという実感です。外部から得た新たな知見やアイデアに触れる度に、仲間と情報を共有しお互いの反応を確かめ合うのですが、その時にやりがいのようなものを感じます。
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Q.6
取り組みの成功に必要なファクターは何ですか?
未来を伺うためには歴史に学ぶことも重要だと感じており、当社の源流の一つである日本石油を設立した内藤久寛の先見の明と挑戦心には、色々と感銘を受けています。当時見向きもされなかった石油に着目し、その価値を伝播し、開発のための仲間を集め、事業化に成功。さらには、周囲に失敗すると揶揄されながら世界初の海上油田掘削までやってのける・・・彼のような先見の明と挑戦心が必要、と言ったらおこがましいですが、先人の活躍には確実に勇気をもらっています。そして、新規案件公募も石油開発も、大きなことは仲間とともに事業を進めていくのが基本です。だからこそ、彼のように周囲を巻き込んでいくような力もまた、成功に欠かせないと思います。
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Q.7
取り組みの展望をお教えください
詳細については公にはできませんが、10年以内の事業化を目指しています。そのための壁は高いですが、油・ガス田開発とのシナジーが期待できる新たな有価金属資源開発のビジネスモデルを構築し、収益を上げる。そして、JX石油開発の新たな事業の柱として育てて行くのが理想ですね。社内外の人材とのつながりを大切にしながら、事業化を実現したいです。
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Q.8
最後に応募者へのメッセージをお願いします
資源開発は第一次産業です。農業や漁業と同じように自然を相手にしているため、工業よりもはるかに不確実性が高いビジネスとなります。さらに、他と同じことをしていては二番煎じとなり、利益を上げづらい特長もあります。こうした前提そのものが油・ガス開発ビジネスに挑む醍醐味だと思います。そして、今自分が挑んでいる新規案件も同様にチャレンジングです。そんな不確実性の高い環境に興味がある方は、是非JX石油開発に応募してみてください。
Naoki Okawa
大川 直樹
2008年入社
自然科学研究科 自然構造科学専攻 修了
もともと好きだった地質学を仕事にできる石油開発に、魅力を感じていました。また、車を運転することが好きで身近だったガソリンを、自分が発見・生産に携わって日本に届けられたら面白だろうという思いから、当社を志望しました。入社2年目からベトナムに約4年間赴任し、最前線で地質評価を学んだ後、東京本社へ。この間、国内外の試掘井・生産井の現場を経験。2016年よりカタールへ赴任。地質技術者として、探鉱プロジェクトに携わった後、2018年東京へ帰任。東京本社で技術戦略策定に携わった後、2019年よりENEOSホールディングス未来事業推進部へ出向。現在に至る。