ニュースリリース

2020年

2020年3月25日

マレーシア国営石油会社ペトロナスとの共同スタディ契約締結について

~CCS技術活用によるガス田開発に関する共同スタディを開始~

各  位

JX石油開発株式会社

 

当社(社長:細井 裕嗣(ひろし))は、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下、「JOGMEC」といいます。)と共同で、マレーシアの国営石油会社ペトロナスとの間で、CCS(注1)技術を用いたガス田開発に関する共同スタディ契約を締結いたしましたので、お知らせいたします。
(注1)Carbon Capture and Storageの略。排出されるCO2を回収し再度地下に圧入する技術。


 本件スタディは、高濃度CO2を含有するために分離・処理コストがかさみ開発が困難とされてきたマレーシア国内のガス田について、将来的な事業化を見据え、当社およびJOGMECが有する知見・技術を活用して実施するものです。具体的には、ガス田開発に伴って産出されるCO2を回収し、老朽化した近隣ガス田に圧入することによって、既発見未開発ガス田の低環境負荷での開発実現を目指しています。
 

 スタディの結果、実現可能性が高いと判断された場合には、関係当事者間での合意を前提に、CCS技術により環境負荷を低く抑えた形での天然ガス生産事業を推進してまいります。
 また、今回のスタディは、CCS技術の活用とともに、生産された天然ガスを用いて水素を生産するサプライチェーン構築も、将来的な検討対象としております。

 

 当社は、効率的な原油・天然ガスの生産を可能とする増進回収を重点技術と位置付けており、その関連技術であるCCSおよびCO2-EOR(注2)を含むCCUS(注3)を、資源の有効活用と環境負荷の低減にとって大変有効な技術だと考えております。

 これまでにも、オペレーターをつとめるベトナムのランドン油田において、2011年にJOGMECと共同で、世界初となる海上油田におけるCO2-EORパイロットテストを実施し、また、2014年から米国テキサス州の陸上油田において、CO2-EOR合弁プロジェクト(Petra Nova CCUS Project)を開始し、実績を重ねてまいりました。

(注2)CO2を利用した原油の増進回収(Enhanced Oil Recovery)

(注3)Carbon Capture, Utilization and Storageの略。排出されるCO2を回収し、新たな商品やエネルギー生成のために利用する技術。

 

 これらの実績を活かし、当社の強みを発揮できる東南アジア地域での水平展開を進めるべく、2019年からインドネシアにおいて国営石油会社プルタミナとCO2-EORに関する共同スタディを開始しておりますが、今般、マレーシアにおいてもCCSに関する共同スタディの実施に至ったものです。

 

 当社は、本件スタディを通じ、マレーシアとの関係を一層強化し、同国における上流ビジネスの拡大に取り組むと同時に、低炭素・循環型社会の実現に貢献してまいります。

以 上